日曜日

中国拳法その5

次の日いつものように体育館の裏で友達を待っていたが、彼は来なかった。

しかたがないので一人でカンフーシューズを履き厳しい鍛錬をしていた。

「うおーーーちゃ!おちゃ!おちゃ!おちゃ!」

その時上から人の声がした。
「おまえなにやってんだ!」
見ると体育館の非常階段に担任が立って見下ろしていた。

「そんなに体を動かすのが好きならちょっと来い!俺が砲丸投げを教えてやる!」

担任は体の大きい男性で英語の担当だったが、陸上部の顧問もしていて砲丸投げで記録も持つ怖いゴツイ怖い先生だった。

「ありがとうございまーす、今日は帰りまーす。」俺はそう言うと足早に体育館から逃げ去ってきた。とんでもない話だ。
俺はジャッキーチェーンのように強くなりたいのに、マッスルマンになる気はなかったので家に帰ってきた。

それにしても友達はどうして約束をやぶって練習に来なかったのだろうか?不思議だった。

次回へと続く

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