友達との練習を袖にされ、最悪なことに鉄の玉まで渡されそうになった俺は自転車で一目散に家まで逃げ帰ってきた。
すると、家の玄関に友達の靴があった。家では、カンフー友達が麦茶を飲んでいた。しかし、どことなく元気がない。暗い雰囲気だ。
友達は切り出した。
「フラレタ」彼は涙ぐんでいた。
話を聞くと交際してもいいよ、と言ってくれた昨日の彼女にデートの段取りをしに話しにいったらしいが、軽くあしらわれたらしい。
「お母さんが駄目だって言ったから、ごめんね、さよなら。」と言われたらしい。
俺はまず最初にざまあみろ!と思ったが可愛そうになった。
考えてみると、クラスで一番の美人に告白しようと言い出したのは俺だったし、目の前の友達は深く傷ついていた。
彼はショックから立ち直れないようで、もうカンフーもやめたいと言ってきた。カンフーシューズも捨てようとしていたが俺はそっとしまっておいた。
しかし、彼はまだ気がついていなかったのであった。
彼にとって人生最高の至福の時が彼には近づいていたのである。
次回へと続く
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