日曜日

中国拳法その7

友達は泣いていた。

しかし、彼には信じられないようなことがこれから起こるのである。


彼がフラレタ、という話は女子の間で瞬く間に広まったらしい。
噂話だけではすまなかった。
実は俺の友人は彼女さえいなかったがとても清潔でおしゃれだった。
いつも彼の髪はきちんと刈られて、くしで丁寧にとかれていた。

女子は友達に目をつけていたのだ。

彼がクラスで一番の美人にフラレテ落ち込んでいる時に女子たちはいっせいに彼に交際を申し込みはじめた。
彼が女子に興味があることを理解したのだ。

連日のように彼にはラブレターや告りがあった。
女子たちはまるで打ち合わせをしているかのごとく彼にアタックをはじめ難攻不落の城を攻略するかのごとくだった。

しかし、カンフーで強い漢になったはずの俺にはそんなことは一つもなかった。俺は深く深く後悔した。

あの時にジャンケンに負けていれば…俺はジャッキームフフーンだったのに。何故ジャンケンに勝ってしまったのだろうか?

こうして俺は、友達がほっぺたにいっぱいチュウをされている友人の姿を見ることになったのだ。

次回へと続く

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